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猫伝染性腹膜炎(FIP)
このブログは、FIPに罹患したアビシニアン(3才オス)の、2ヶ月間の闘病記録を中心にした内容です。新たな更新はしていませんが、この、猫にとっての「死に至る病」について、愛猫家の皆さんに知っていただければ、と、公開しています。
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2004/04/13(Tue) No.957 先月発売された雑誌「小動物内科専門誌・SAメディシン」に犬と猫のワクチン特集が掲載されており、大変参考になりました。 ペット医療先進国であるアメリカにおいては、ワクチンの多種混合化による副作用の問題が無視できず、2000年に米国猫臨床医協会・猫内科学会が猫用ワクチンの推奨ガイドラインを報告しています。これはそれまでの、「ワクチン接種は年1回」という「常識」を覆す画期的なものでしたし、少なくとも、このプログラムを用いれば、メーカーも獣医師もワクチン関連の収入が、それまでの3分の1になってしまいますので、かなり議論があったのではないかと思われます。 日本で市販されているワクチンに限定すれば、コア・ワクチン(必須・強く推奨される)とノンコア・ワクチン(汚染環境での飼育などに限定され、非推奨)に分けられ、前者に猫パルボウィルス・猫カリシウィルス・猫ヘルペスウィルス、後者に猫白血病ウィルス・猫クラミジア・シッタシーが含まれます。 で、コア・ワクチン(3種混合)を生後6週から12週の間に3~4週間隔で2回接種し、さらに生後1年で接種した後は、4年後、7年後と以降は3年毎となります。 ノンコア・ワクチンは、猫白血病ウィルス・ワクチンの場合、FeLV陰性の閉鎖的環境で飼育されている猫以外に推奨され、16週齢未満の猫で最も重要、逆にFeLV感染猫との接触がほとんどあるいは全くない16週齢以上の猫には勧められないとあります。クラミジア・ワクチンは常用は推奨されない、臨床症状を伴うクラミジア・シッタシー感染が確認された多頭飼育環境内の猫に適用を考えるとあります。 一方、メーカー側は依然として、毎年の接種を推奨しており、「そうでないと感染防御達成は保証できません」みたいな注意書きをつけていますから、「3年おきで大丈夫だろうか?」と心配になりますが、個々のワクチンについての研究によると、1回の接種で免疫の維持は5年から7年以上にも及ぶことが確認されていますので、3年間隔でも充分すぎるくらいのようです。 完全室内飼いであれば、3年ごとで充分、万が一、外に逃げ出したときの保険のようなものになるようです。 一方、自由に外に出ることができる猫の場合、ノンコア・ワクチンは必要になると思われますし、激しい争いで出血を伴う怪我を繰り返すといった、多量のウィルスの攻撃機会が続くようなら、3年毎のコア・ワクチン接種でも当然不安があります。 結局、多くの猫(集団免疫の観点から考えると、有効免疫率が70%以上に達することが必要)がワクチンを接種して、ウィルスを垂れ流す個体が幼弱な子猫へ感染をもたらすようなことがないように、集団として免疫を獲得することが重要だとありました。 つまり、個々の猫へのワクチン接種回数を減らすためにも、集団全体のワクチン接種率を高めることが必要なのだそうです。 因みに、毎年1回の追加接種と言う概念は、ワクチンの免疫持続期間に関する検討から生まれたものではなく、むしろ年1回の健康管理という立場から採用されたものだそうです。 ということで、完全室内飼いの我が家の猫達は3年毎の3種混合ワクチン接種をすることになりました。冬の寒い時期を避けて、体調のよい季節を選んで行いたいと思っています。 話は変わりますが、5月は我が家の猫達のコロナウィルス抗体価経過チェックの月(3ヵ月毎)になります。次回の日記にはその結果が書き込めると思います。ジタンは陰性化がほぼ確実と思われますし、ウー爺もかなりいい線行くのではないでしょうか?
by abi_kichi
| 2004-10-07 00:12
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