カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
猫伝染性腹膜炎(FIP)
このブログは、FIPに罹患したアビシニアン(3才オス)の、2ヶ月間の闘病記録を中心にした内容です。新たな更新はしていませんが、この、猫にとっての「死に至る病」について、愛猫家の皆さんに知っていただければ、と、公開しています。
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
今春、私達のアビ吉日記を読んだ方から、強く勧められた民間療法がありました。私達にはこれ以上ないほど胡散臭いものでしたが、その推薦者にとっては現代医療を凌駕するほどの奇跡的なものであったようです。何故そのように感じられたかは私には理解できませんでしたが・・・。 辟易した私は、その民間療法の治療材料○○を販売している整体院の初心者セミナーを受けてみたのでした。ちょうど半年前のことです。以下は大変長いですが、その時の記録です。 ================================================== 入口は普通の内科の診療所みたいな感じで、靴を脱いで中に入ると畳敷きの部屋があり、診察台みたいなベッドが2列に(3+4の7台)配置されていました。部屋の壁は電気的にシールドされているそうですが、内装からは特に変わった様子はありませんでした。 理科の実験室にあるような、脊椎のモデルがあり、それを用いて、姿勢の矯正の様子が説明されます。 参加者は私を入れて、10名。女性9名、男性1名。平均年齢は50台半ばという感じでした。全く初めてという人が私を入れて5名、残りの5名は既に会員である人たちでした。 (この人たちは信者ですから、無意識的にサクラの役割をしており、院長の説明が一段落つくごとに大きく頷きます。) 治療院は男性の院長と副院長格の30歳くらいの男性と、40前の女性(この人は口元は笑っているのですが、目が爬虫類みたいで、ニコリともせず、受講者を観察しているようでした。)の3人で運営しているようです。一方、男性は2人とも、むしろ女性的な感じの、柔らかい当たりでした。 ここの男性院長は、頭が薄かったので老けて見えましたが、40台かと思われます。元々はカイロプラクティックをやっていた人のようです。ヒョロリとした人で、やわらかい声音と喋り方、澱みなく、くつろいだ感じで非常に話術に長けています。 まず、『ここに医療関係者の方はおられますか?』と質問があり、1人の女性が『病院の医療事務』ですと応えていました。『医療関係の方にとっては、辛口の話になるので、あらかじめ訊ねさせてもらいました。』とにこやかに前置きして、一時間ほど、文明論・社会論を交えての現代医療批判が続きました。その材料・根拠として、近藤誠氏の『成人病の真実(文芸春秋社刊)』を挙げていました。 ○○についての説明では、『この中に小さな金属の膜が入っています。詳しくは私もよく知りません。K先生の開発されたものです。』とだけなされ、インターネット上にあるようなチップという言葉は何故か用いられませんでした。(「おっとっと・・・」と肩透かしを食ったようでした。そこを突っ込みたかったので。) ○○は小さいです。4.8mm×4.8mm×21mmの直方体で、中に埋没している金属の膜はホント蚤の糞みたいでした。 『インフルエンザ脳症が日本だけに見られる病気で薬害に他ならないが、その危険性のある薬剤は未だに使用されている。』『何故か!』『厚生省はわざと情報を小出しにして責任問題を逃れている。製薬会社は医師を抱きこんでのロビー活動を活発に行っており、そのせいで動きがとれないのだ。』など・・・。 『結核が減って結核健診がなくなったが、そうなると収入が落ちるので今度は乳癌健診を始めている。』 『医療機関はおろか、国も信用できない。自分の身体は自分で守らなくてはならず、緊急性を要するような病気を除いて、生命力を高めるのがベスト。』 『国土交通省もひどいもので、杉や檜は保水力がないのに、どんどん植林して保水力のある雑木林をなくしてしまった結果、土砂崩れが頻発している。同じ種類の樹木だけを植えるから、土地が痩せてしまい、日本も砂漠化が進んでいる。有機農法は日本が昔からやっていたことなのに、国の政策でしなくなった。』『高卒・大卒、いろんな人が集まっているのに、官僚は大卒(東大・京大など)ばかりだから、おかしくなった。国がおかしくなった。』 『セカンド・オピニオンを求めなさいと厚生省は患者に言うが、ちゃんと医者を指導できていないから、色んな人に聞いておけ、という厚生省の責任逃れだ。』 『生命力の低下の問題なのに、胃が、腸が、悪くなると考えている。○○、内なる力は電気的な力で、上から下へ流れてゆく。姿勢のよしあしが健康の目安で、川の流れも一緒で、まっすぐだったら、流れも速いが、曲がっていたらゆっくり流れてゆくでしょ?』 『先日、胃が痛くなって医者に行ったが、薬は貰わなかった。自分で触って診断することができるから、後でこれは腹筋だということが解ったから。自分は腹筋をいつも鍛えているので、それがよく触れて、しこりのように思えたのです。』※ 『自覚症状がなければ、検査は受けない方がよい。検査で死んでも仕方がないような場合もある。患者側の責任もある。検査で事故になり、血管が破れるような状態を自分で不摂生などでもたらしているからともいえるから。』 『国を信じてはいけない。厚労省も、国土交通省も、農林省も駄目だ。「呼吸する土」という本を読んでみるとよく解る。』 『K先生は、金儲けではないのだから、無料のセミナーで理解してもらいたい、地道な活動をしたい、と思われている。内側の力をあくまで生かすことを。食生活の改善なども○○を高めるためには必要。』 『○○を生かしていると、初産もスムーズだし、不妊症・生理痛にもよく効く。会員のお母さんからも聞いたが、子どもも、○○療法前に生んだ子どもよりも、○○療法を受けた後に生んだ子どもの方が、性格も生命力もはるかに良いと言っている。性格の悪い子どもを時に見るが、皆、病院で対症療法を多く受けている子どもだった。落ち着きがなく、乱暴だったりする。』 『男より女、大人より子ども、人より動物の方がよく効く。子どもさんが、入浴後、○○をはずしていると慌てて探して、身につけようとしたり、犬も○○をつけた首輪やリードをはずすと自分から、首を突っ込んでくる。』 などなどの話が澱みなく続く。途中で質問をしようとしたが、意外と質問しにくい。話題がどんどん移り変わってゆく。深められることがない。何となく納得するという状態が続く。 それでは試してみましょうということで、グリッド代わりの網の前に立って、○○をぶら下げる前と後で、体のゆがみを見るということを2人の参加者で行うが、『ほら、からだが揺れて、ゆがみがとれてきましたね。』と盛んに言うが、全然変わらない。皆、雰囲気に呑まれているのか、『そうですね。』と相槌を打っている感じだが、説明する側は、デジカメで撮影したり、堂々としている。 次は診察台の上に仰向けになり、左手の人差し指にスーパー○○○を絆創膏でくっつけ、10分間そのまま休む。スーパー○○○は例の80000円のセットの中に入っている、おはじきの中に、2つトランジスタが埋没した、丸いボタン状のもの。 (被暗示性の高い?)参加者はすぐにいびきをかき出し、そして指先がぴりぴりすると言う。私は何ともなかったが、『どうですか?』と聞かれたので、「足先がポカポカします。」(途中で、信者の一人が私の足を触り、「うん、大分あたたかくなってきている」とつぶやいたので、「そうか!暗示だな。」と思って、答えました。)と答えたら、『そうですね!まず、そういう効果がまず出てきますよ。』と言われた。 唯一の男性参加者は、脳障害の男の子がいるそうで、参加者の中では一番深刻そうに見えた。男の子は成長ホルモンと抗けいれん薬を投与されているが、芳しくない。何とかしたいと思って参加したと言われた。この治療を受けるのに、抗けいれん薬などは中止した方がよいだろうか?半年毎にMRIと脳波の検査を受けているが、検査も受けない方がよいだろうか?と質問された。これに対しては、『○○療法で抗けいれん薬の副作用を打ち消すことができるし、内なる力がついてくれば、自然と良くなります。検査も定期的に受ければ、○○療法の効果を見るのに有効です。どうせ、薬を飲んでも飲まなくても、医者は責任をとらないでしょ?』この解答は巧妙だな!!と正直、感心しました。「病気が良くなれば○○療法のおかげ、病気が悪くなれば医療のせい」という見事なすり替えがなされているからです。 次は他所で勉強会をやりますので、よければ来て下さいということで説明会が終わりました。ここで、私は※の部分を質問しました。 「先生のお腹が痛いのを、お医者さんは何と診断したのですか?」 ここで一瞬、院長は無表情になり、ちょっと間がありましたが、すぐに微笑んで『どこも悪くないって!』と言いました。『心配だったら、薬を出しますからと言って薬を出されたけれど、もちろん飲みませんでしたよ。』『後で思うと、食べすぎで便が沢山詰まっていたみたいなんです。ほら、私はいつも患者さんに、食べ過ぎないように、腹八分目に、と言っているけれど、私自身は結構よく食べるものだから、そういうのがストレスになっていたみたいでね。それからは、患者さんには腹九分目にしなさいって言うようにしているんですよ。』と、面白そうに笑います!確か、最初に「薬はもらわなかった」と言っていたのですが・・・。 他の人に聞いたところ、1回の施術が4000円で、18000円の○○1個と80000円の入会金(スーパー○○○などのセットが貸与される)が初回料金だということでした。 帰りに近藤誠氏の「成人病の真実」を買って読みましたが、現代医療の矛盾を指摘してはいましたが、○○や○○療法については一言も触れられていませんでした。このような怪しげな商売の宣伝材料に使われていることを筆者が知ったら、さぞかし驚くだろうなというのが感想でした。 ================================================== 以上です。田舎に、手かざしで神秘的な力を病人や患部に与えて治すというのがありますが、それと似ています。科学の雰囲気を纏わせたところがミソでしょうか。 #
by abi_kichi
| 2004-10-12 00:12
| 贋治療批判
元・京都大学ウィルス研究所所長・畑中正一著「キラーウィルスの逆襲」(日経BP社刊)によると(第8章SARS特効薬の開発)、SARSの特効薬として、(RNA)複製酵素阻害薬+プロテアーゼ阻害薬の併用が特効薬になるとのことでした。 後者のプロテアーゼ阻害薬は、ご存知のとおりエイズ治療薬として既に市販されており、上記の併用療法はHAART(highly active anti-retroviral therapy)療法と呼ばれ、今ではエイズ治療の主流となっているものだそうです。同じ薬の組み合わせが、SARSの場合は、HAAST(highly active anti-SARS-viral therapy)として有効な治療方法となるはずだとのことでした。 実際に使えるのは、厳密な臨床実験の結果を集積した後の、厚生省の認可を待ってからのようです。 SARSで有効ならば、FIPにも当然有効であることが予想されます。獣医学の世界で、この治療方法が実現するのは、何年後でしょうか?人間に対して副作用がなくても、猫にとっては副作用が重く、使えない薬があるそうですから、そうすんなり行かないかもしれませんが、事の成り行きを見守ってゆきたい気がしています。 #
by abi_kichi
| 2004-10-11 21:46
http://www.dr-addie.com/index.htmから抜粋したものです。 Examples of situations which cats find stressful: being rehomed moving house new additions to house: baby, dog, cat, kitten too many cats in one house (over 6) going into cattery surgery (being neutered, getting a dental) trauma (e.g. road accident) intercurrent illness pregnancy, parturition, lactation 猫がストレスを感じる状況の例: 家の改築 引越し 家に新しいメンバーが加わること:赤ちゃん、犬、猫、子猫 多すぎる猫の数(1軒で6匹以上) 猫舎に入れられる 手術(去勢、歯科受診) 外傷(交通事故など) 病気が併発 妊娠、出産、授乳 こういった節目・節目をきちっとおさえなければ。 猫はデリケート(心身共に)ですから・・・。 #
by abi_kichi
| 2004-10-11 02:01
10月10日午後5時30分から放映されていた、田丸美寿々がキャスターを務める「報道特集」では、人里を襲うニホンザルとツキノワグマの問題に加えて、ペット産業の深刻な問題が報道されました。 今やペット産業は1兆円産業になり、急速な需要の拡大に、無知な拝金主義者が参入しているとのことでした。おそらく無茶苦茶な近親交配の結果、遺伝的に障害のある犬が「大量生産!」され、そういった背景を当然のことながら全く知らずに、子犬を我が家に招き入れ、家族として愛情を注いできた飼い主は、ほどなく愛犬の致死的な病気の突然の発症~急死に打ちのめされることになります。遺伝病はその成り立ちから、ほとんど治療の術がありません。 TVクルーが「何故、そのような遺伝病が急増したか?」をl調べてゆく過程で、病気に対して全く知識のないブリーダーや素人繁殖業者が明らかになります。とにかく「金、金、それだけ」です。 阪神高速に隣接する、日の射し込まない雑居ビル内のカラオケ屋の設備をそのままに、不動産業者は、サイドビジネスとして、カラオケルームの個室にケージを積み上げて300頭以上のメス犬を押し込み、強制収容所さながらの繁殖工場を作っているのでした。生まれた子犬の10匹のうち5匹以上が、肢が欠損していたり、内臓が破裂した腹壁から飛び出しているといった致死的な奇形を持って生まれ、その場で殺処分するのだということでした。その時点で、外見上はとりあえず問題のない子犬が市場に出されます・・・・。 ペットショップでは当然、健康や血統に問題がないという血統証が渡されますが、この血統証というのが問題で、1頭あたり2000円納めれば、「機械的に」血統証がジャパンケネルクラブ(JKL)から発行されるということでした。実際に血統証を出す対象となる個体を、見ることはおろか、その存在自体も確認しないままに、血統証は発行されるとのことでした。 TVクルーは当然、その責任を遠まわしに問うわけですが、JKLの理事長は「今まで問題なくやってきた良いシステム」「自分達は素人だから(はっきり素人と言った!!)、どんな形にせよ、ブリーダーに干渉することはない」といった趣旨のことを明言していました。 何とも、いかがわしい組織です。そして大変な利益率でもあります。調査費が生じない以上、単純な事務費用だけが経費ですから・・・血統証はとうに有名無実化しているのです。 おそらく、このような風潮はペット産業の全体に蔓延しており、深刻なモラルハザードとなっていると思われます。 #
by abi_kichi
| 2004-10-11 01:42
アビ吉の一周忌(10月1日)を先週終え、それでも何も変わらないままに過ごしています。 昨年は3日後の10月4日に荼毘に付し、アビ吉の実体は完全にこの世から消失したのでした。なのに心は10月1日にとどまったままです。あの日、亡くなった後、ひたひたと進む死後硬直、そしてそれが解ける過程・・・。そういった感覚的な記憶も未だに生々しいまま、様々な感情がこみあげ、心を占有します・・・。 この日記のメインは、約2ヶ月間の素人飼い主のFIP闘病記です。 このような致死的な病気に可愛がっているペットが襲われた時、飼い主はどうしたらよいのか、看病の経過に加えて、獣医さんとのやり取り、怪しげな民間療法の誘い、そしてペットがいなくなった後の自分自身のペットロス、残りのペット達に対する病気の予防などなど、アビ吉への供養・贖罪でもあり、自分自身の癒しでもあり・・・そんな話題を不定期に掲載することにしました。 今まで他所の日記を使っていましたが、日数制限から間もなく削除されてしまう為、こちらに移動しました。過去の記録には書き込みはできませんが、今日以降のコメントにはレス可能です。どうぞよろしくお願いします。 #
by abi_kichi
| 2004-10-07 11:49
|
ファン申請 |
||