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猫伝染性腹膜炎(FIP)
このブログは、FIPに罹患したアビシニアン(3才オス)の、2ヶ月間の闘病記録を中心にした内容です。新たな更新はしていませんが、この、猫にとっての「死に至る病」について、愛猫家の皆さんに知っていただければ、と、公開しています。
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2004/04/13(Tue) No.959 ジアルジアは不衛生な環境で飼育されている猫にとっては、大変ポピュラーな寄生虫だそうです。例えば、水入れや餌入れが糞尿まみれで、洗浄されていないような環境では必発です。 そして宿主特異性はあるものの、同一種でも他の動物に感染することがあり、犬と猫の相互感染や、人間への感染もあります。厚生省は、人畜共通感染症で、かつ4類感染症(法定伝染病)として位置づけ、患者が発生すると届出義務があるほどです。私の知人は、東南アジアで屋台でフルーツを沢山食べて、ジアルジアをお土産に貰って帰ってきました。 徹底的に排除するには、猫全員(匹?)だけでなく、人間も一緒に薬を服用することを考慮する場合もあります。(私も予防的投与を受け、5日間メトロニダゾールを服用しました。) やっかいなことに、寄生されていても、必ずしも虫体(栄養型とシスト型、後者は特に環境悪化に強い)が糞便中に検出されるわけではないので、治癒判定には最低3回の糞便検査で陰性であることを確認しないといけないそうです。逆に原因不明の下痢に対して、治療的診断としてメドロニダゾールを投与して経過を見るほどで、除外診断(ジアルジアではないと断言)するにも、治癒判定するにも、注意が必要だと言うことでした。 正常な免疫力を有する猫であれば5日間の投与でほとんど完治するそうですが、免疫力に問題のある猫の場合、駆虫に8週間くらいかかることもあるそうです。 ジアルジアがすでに腸管の粘膜を(局所の免疫力をも)破壊し損傷しているため、カンピロバクターなどの細菌の過剰増殖を有利にしたり、コロナウィルスが増殖・変異しやすい環境をもたらし、言わばFIP発症の温床となるそうです。コクシジウムその他の寄生虫や感染症も、もジアルジア同様、FIP発症を隠蔽しつつ助長するそうです。 #
by abi_kichi
| 2004-10-07 00:16
2004/04/13(Tue)No.958 久しぶりの土曜日、ジタンは写真嫌いで中々撮らせてくれません。今日もピンボケ写真ばかりですが、一応、こんな感じで暮らしています。(^^; 手前の小物入れには、アビ吉の毛や生前使っていた首輪、火葬費用の領収証(?!)が入っています。時々、アビ吉の毛に触れてみるのですが、やはり細くなって色もどんどん淡くなってゆきました。こんなところにも時間の経過を感じています。 #
by abi_kichi
| 2004-10-07 00:13
2004/04/13(Tue) No.957 先月発売された雑誌「小動物内科専門誌・SAメディシン」に犬と猫のワクチン特集が掲載されており、大変参考になりました。 ペット医療先進国であるアメリカにおいては、ワクチンの多種混合化による副作用の問題が無視できず、2000年に米国猫臨床医協会・猫内科学会が猫用ワクチンの推奨ガイドラインを報告しています。これはそれまでの、「ワクチン接種は年1回」という「常識」を覆す画期的なものでしたし、少なくとも、このプログラムを用いれば、メーカーも獣医師もワクチン関連の収入が、それまでの3分の1になってしまいますので、かなり議論があったのではないかと思われます。 日本で市販されているワクチンに限定すれば、コア・ワクチン(必須・強く推奨される)とノンコア・ワクチン(汚染環境での飼育などに限定され、非推奨)に分けられ、前者に猫パルボウィルス・猫カリシウィルス・猫ヘルペスウィルス、後者に猫白血病ウィルス・猫クラミジア・シッタシーが含まれます。 で、コア・ワクチン(3種混合)を生後6週から12週の間に3~4週間隔で2回接種し、さらに生後1年で接種した後は、4年後、7年後と以降は3年毎となります。 ノンコア・ワクチンは、猫白血病ウィルス・ワクチンの場合、FeLV陰性の閉鎖的環境で飼育されている猫以外に推奨され、16週齢未満の猫で最も重要、逆にFeLV感染猫との接触がほとんどあるいは全くない16週齢以上の猫には勧められないとあります。クラミジア・ワクチンは常用は推奨されない、臨床症状を伴うクラミジア・シッタシー感染が確認された多頭飼育環境内の猫に適用を考えるとあります。 一方、メーカー側は依然として、毎年の接種を推奨しており、「そうでないと感染防御達成は保証できません」みたいな注意書きをつけていますから、「3年おきで大丈夫だろうか?」と心配になりますが、個々のワクチンについての研究によると、1回の接種で免疫の維持は5年から7年以上にも及ぶことが確認されていますので、3年間隔でも充分すぎるくらいのようです。 完全室内飼いであれば、3年ごとで充分、万が一、外に逃げ出したときの保険のようなものになるようです。 一方、自由に外に出ることができる猫の場合、ノンコア・ワクチンは必要になると思われますし、激しい争いで出血を伴う怪我を繰り返すといった、多量のウィルスの攻撃機会が続くようなら、3年毎のコア・ワクチン接種でも当然不安があります。 結局、多くの猫(集団免疫の観点から考えると、有効免疫率が70%以上に達することが必要)がワクチンを接種して、ウィルスを垂れ流す個体が幼弱な子猫へ感染をもたらすようなことがないように、集団として免疫を獲得することが重要だとありました。 つまり、個々の猫へのワクチン接種回数を減らすためにも、集団全体のワクチン接種率を高めることが必要なのだそうです。 因みに、毎年1回の追加接種と言う概念は、ワクチンの免疫持続期間に関する検討から生まれたものではなく、むしろ年1回の健康管理という立場から採用されたものだそうです。 ということで、完全室内飼いの我が家の猫達は3年毎の3種混合ワクチン接種をすることになりました。冬の寒い時期を避けて、体調のよい季節を選んで行いたいと思っています。 話は変わりますが、5月は我が家の猫達のコロナウィルス抗体価経過チェックの月(3ヵ月毎)になります。次回の日記にはその結果が書き込めると思います。ジタンは陰性化がほぼ確実と思われますし、ウー爺もかなりいい線行くのではないでしょうか? #
by abi_kichi
| 2004-10-07 00:12
2004/03/25(Thu) No.955 私は最近、ある民間療法の治療用具を販売しているサイトの責任者のF氏に質問をメールでしました。 悪性リンパ腫に対する治療効果について質問しました。 ※と言いますのは、あるサイトで、これを購入した方が、「腫瘍が小さくなったり、消えたりというのは、●●の最も得意とするところです。」という心強い言葉を、×××××のFさんから頂きました。」と喜ぶ記載をなさっていたからです。 回答を一部抜粋して掲載します。 ===================================================== 今まで、悪性リンパ腫の腫瘍が小さくなったり、運がよければなくなったりというケースも珍しくはありません。ただし、期間は1ヶ月から半年くらいと幅があります。 ●●を使用するしないに関らず、基本的に全ての病気は、 自然治癒力の強さ(生命力)VS病気の進行(程度の重度) によって、回復するか、進行を抑えるか、病気の進行が進むかが決まってきます。ですので、一概にどのくらいの効果があって、期間がどれくらいかかるかを申し上げることは出来ないのです。 大体のお薬は、症状を抑えるものであって、病気を回復させるものではありませんので、おおよそのお薬の効き目がどのくらいの期間で効いてくるのか分かりやすいのです。 が、●●による作用はあくまで自然治癒力の力を引き出し、病気の進行との問題、さらに潜在的な自然治癒力の強さ、そしてストレス状態などのあらゆる環境が絡んできますので、希望は大ですが、断言もできません。HPにもありますが、沢山の動物たちが元気になっているのは事実ですが、100%の確率ではありません。 可能性だけに18,000円もかけられないと言われてしまうのであればそれまでですが、弊社では30日返品制度を設けておりますので、リスクはないかと思われます。 ===================================================== どう思われますか? 「効果が出るまでの期間は、1ヶ月から半年くらい」と言いつつ、「30日返品制度を設けているからリスクはない」というのです。矛盾しています。 藁をもすがる思いで購入した人は、これから効果が出るかもしれないという段になって、果たして返品するでしょうか?永久的な効果の持続があるというのなら、レンタルと買取りの双方を選ばせるべきではないでしょうか?この回答だけでも、私には充分、胡散臭いものと思われたのでした。 「運がよければなくなったり・・・」 「希望は大ですが、断言もできません。」 こういう表現はきちんと分析しているのだったらしないでしょう。「○○%のケースでは腫瘍の消失が認められます。」と言った、もっと具体的な表現をすると思われます。 上記の引用に戻りますが、「1ヶ月から半年くらい」の期間で、例えば『ばらつきはあるが、80%が3ヶ月以内に何らかの改善が認められた』とか、そういう分析すらされていません。本当に効果があるのなら、「1ヶ月から半年くらい」の期間に均等に分布しているはずがないのですから、きちんと明言できるはずです。 「大体のお薬は、症状を抑えるものであって、病気を回復させるものではありませんので、おおよそのお薬の効き目がどのくらいの期間で効いてくるのか分かりやすいのです。」 これも、言語明瞭・意味不明瞭です。 抜粋から洩れましたが、「悪性リンパ腫は沢山治してきた」と言いつつ、FIVとの合併例は1例も経験がないとも言われます。FIVを背景に種々の悪性腫瘍が発生するのですから、これもまたおかしいと感じました。 ------------------------------------------------------------------ 猫おば [E-Mail] 次の書き込みは4月13日に致します。 2004/04/07(Wed)/01:07:38 No.956 #
by abi_kichi
| 2004-10-07 00:11
| 贋治療批判
2004/03/25(Thu) No.954 私がFIPについて調べていた頃、全ての文献や資料の末尾は、例外なく fatal(致死的、命取りになる、破滅的) desperate(絶望的) hopeless(絶望的、見込みのない) grave(深刻な、墓穴、死に場所) cureless(救済できない、治療法のない、不治の) という単語で結ばれていました。私は必死で活路を探していました。看病で投薬や点滴、強制給餌をしながら、いつも資料を漁っていました。FIPについては、イギリスやアメリカの研究の方が日本より活発で、文献の量も圧倒的に多かったです。 一つ読み終えるたびに、結語の単語に打ちのめされ、(心の中で泣きながら)次の資料にあたることの繰り返しでした。「次こそと期待し」て、何枚もカードをめくるが、ことごとく「悪魔」だったという感じでした・・・。多くの研究者が異口同音に論じる内容が段々と、最悪な、一つの結論に収束していくのを思い知る過程でしたが、その中で、「人事を尽くして天命を待つ」心境でした。 『偶然(発見?)は準備の出来ている人のところにしか訪れない。』という言葉を、ペニシリンを発見した化学者のフレミングが生前、常々語っていたということを何かの本で読み、何とか「偶然」が、「奇跡」が、舞い込んで来てはくれまいか、と祈っていました。つまり、効果のある治療法がどこかで発見されていないか・・・・。 一方、「様々な民間療法が、難病に対して劇的な治療効果を謳うサイト」をあちこちに見かけるようになりました。しかし、必ず、「効果には個体差があります」というexcuseがつきます。 効果に個体差があるとは言っても、劇的に効果のある症例が沢山あるのなら、それなりの評価を、プロである獣医師から当然受けると思います。それに獣医学の分野は、民間療法的なものに寛容だという印象を受けています。例えば、(確かに同業の獣医師からの批判もありますが)、猫エイズの権威の石田卓夫氏が、患猫のQOL改善にアロマテープを考案して、それを獣医学会誌に何度も発表しています。 これらの民間療法は、もし効果に自信があるのなら、何故、プロの獣医学者や獣医師に伍して、評価をきちんと受けようとしないのでしょうか?堂々と、動物病院に参入して、治療に貢献すればよいのに・・・。妙に、獣医療や薬の副作用への不安や不信を煽り、従来のオーソドックスな獣医療を悪者にし、あたかも正義の味方のような登場をします。 既存の「権威」を貶めることで、自らの優位性を訴えています。 それほどの実績があるのなら、専門誌に投稿して、プロの査読を経て掲載されれば、胡散臭さもなくなり、評価つきの治療法として、社会的にも一挙に認知されるではありませんか。(955へ続きます。) #
by abi_kichi
| 2004-10-07 00:09
| 贋治療批判
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