カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
猫伝染性腹膜炎(FIP)
このブログは、FIPに罹患したアビシニアン(3才オス)の、2ヶ月間の闘病記録を中心にした内容です。新たな更新はしていませんが、この、猫にとっての「死に至る病」について、愛猫家の皆さんに知っていただければ、と、公開しています。
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2003/10/23(Thu) No.481 Watari T, Kaneshima T, Tsujimoto H, Ono K, Hasegawa A.Effect of thromboxane synthetase inhibitor on feline infectious peritonitis in cats. J Vet Med Sci. 1998 60(5):657-9. この文献の訳を数回に分けてアップします。(今回は2回目です。) ***************************************************** 1例目:10ヶ月のメスのペルシャ猫 腹部の拡大と食欲不振を訴えて来院、初診時に貧血と腹水を認める。血液検査(表1)で正球性正色素性貧血と好中球増加(23380/μl)による白血球増多(34900/μl)、高蛋白血症(7.8g/dl)と多クローン性ガンマグロブリン血症、A/G比は0.36であった。 ALTが上昇し、FIPVの抗体価(ELISA法)は、初診時1600倍であった。 レントゲン撮影(図1a)上、大量の腹水貯留を認めた。穿刺した腹水は黄色調で、たくさんの好中球とマクロファージを含んでいた。これらの所見からFIPと診断した。塩酸オザグレル5mg/kg、1日2回、プレドニゾロン2mg/kg/dayで治療し、投与開始後2週間で、食欲と活動性、貧血の改善、腹水の消失(図1b)が認められた。この時点で白血球数は17800/μlに減少していた。血清総蛋白濃度およびγグロブリンはそれぞれ7.0g/dlと2.1g/dlに著明に減少していた。初診から4ヶ月後、抗FIPV抗体価も100倍のカットオフ値以下にまで低下していた。このケースでは、塩酸オザグレルによる治療を12ヶ月後に中断し、以降6ヶ月以上にわたって再燃することなく、良好な状態にあった。 ----------------------------------------------------------- 2例目:7歳の去勢済みオスの日本猫 腹部の拡大を訴えて来院。理学的検査で腹水が認められた。血液検査では白血球増多(23100/μl)と多クローン性ガンマグロブリン血症を伴う高蛋白血症(8.8g/dl)が認められた。抗FIPV抗体価は初診時800倍であった。レントゲン撮影(図2a)上、腹水貯留を認めた。穿刺した腹水は黄色調で粘性があり、その蛋白濃度は6.4g/dlであった。腹水の蛋白電気泳動法所見も、また腹水中の44.7%がガンマグロブリンである多クローン性ガンモパチーを呈した。それゆえ2例目もFIPと診断した。塩酸オザグレル10mg/kg、1日2回、プレドニゾロン2mg/kg/dayを開始した。投与開始後12日で、腹水が消失した。(図2b)この猫は8ヶ月間にわたり、よい状態を維持し、抗FIPV抗体価のレベルは400倍から6400倍の間を変動した。このケースでは、出血を伴う鼻汁のため、塩酸オザグレルは9ヶ月後に中止した。治療中止後、腹水は再発し、猫は初診から11ヶ月後に死亡した。。(続く) ***************************************************** レントゲン写真などは掲載が困難なので省略します。
by abi_kichi
| 2004-09-26 23:27
| FIP治療(薬や食事について)
|
ファン申請 |
||