カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
猫伝染性腹膜炎(FIP)
このブログは、FIPに罹患したアビシニアン(3才オス)の、2ヶ月間の闘病記録を中心にした内容です。新たな更新はしていませんが、この、猫にとっての「死に至る病」について、愛猫家の皆さんに知っていただければ、と、公開しています。
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
「様々な民間療法が難病に対して、劇的な治療効果を謳うサイト」をあちこちに見かけるようになりました。しかし、必ず、「効果には個体差があります」というexcuseがつきます。 効果に個体差があるとは言っても、劇的に効果のある症例が沢山あるのなら、それなりの評価を、プロである獣医師から当然受けると思います。それに獣医学の分野は、民間療法的なものに寛容だという印象を受けています。例えば、確かに同業の獣医師からの批判もありますが、猫エイズの権威の石田卓夫氏が、患猫のQOL改善にアロマテープを考案して、それを獣医学会誌に何度も発表しています。 これらの民間療法は、もし効果に自信があるのなら、何故、プロの獣医学者や獣医師の評価をきちんと受けようとしないのでしょうか?堂々と、動物病院に参入して、治療に貢献すればよいのに・・・。妙に、獣医療や薬の副作用への不安や不信を煽り、従来のオーソドックスな獣医療を悪者にし、あたかも正義の味方のような登場をします。 私は以前、ある民間療法の治療材料を販売しているサイトの責任者に質問をメールでしました。 悪性リンパ腫に対する治療効果について質問しました。 ※と言いますのは、あるサイトで、これを購入した方が、「腫瘍が小さくなったり、消えたりというのは、○○の最も得意とするところです。」という心強い言葉を、×××××の△さんから頂きました。」と喜ぶ記載をなさっていたからです。 回答を一部抜粋して掲載します。 ================================================== 今まで、悪性リンパ腫の腫瘍が小さくなったり、運がよければなくなったりというケースも珍しくはありません。ただし、期間は1ヶ月から半年くらいと幅があります。 ○○を使用するしないに関らず、基本的に全ての病気は、 自然治癒力の強さ(生命力)VS病気の進行(程度の重度) によって、回復するか、進行を抑えるか、病気の進行が進むかが決まってきます。ですので、一概にどのくらいの効果があって、期間がどれくらいかかるかを申し上げることは出来ないのです。 大体のお薬は、症状を抑えるものであって、病気を回復させるものではありませんので、おおよそのお薬の効き目がどのくらいの期間で効いてくるのか分かりやすいのです。 が、○○による作用はあくまで自然治癒力の力を引き出し、病気の進行との問題、さらに潜在的な自然治癒力の強さ、そしてストレス状態などのあらゆる環境が絡んできますので、希望は大ですが、断言もできません。HPにもありますが、沢山の動物たちが元気になっているのは事実ですが、100%の確率ではありません。 可能性だけに18,000円もかけられないと言われてしまうのであればそれまでですが、弊社では30日返品制度を設けておりますので、リスクはないかと思われます。 ================================================== どう思われますか? 「効果が出るまでの期間は、1ヶ月から半年くらい」と言いつつ、「30日返品制度を設けているからリスクはない」というのです。矛盾しています。 購入した人は、これから効果が出るかもしれないという段になって、果たして返品するでしょうか?永久的な効果の持続があるというのなら、レンタルと買取りの双方を選ばせるべきではないでしょうか?この回答だけでも、私には充分、胡散臭いものと思われたのでした。 「運がよければなくなったり・・・」 「希望は大ですが、断言もできません。」 こういう表現はきちんと分析しているのだったらしないでしょう。「○○%のケースでは腫瘍の消失が認められます。」と言った、もっと具体的な表現をすると思われます。 上記の引用に戻りますが、「1ヶ月から半年くらい」の期間で、例えば『ばらつきはあるが、80%が3ヶ月以内に何らかの改善が認められた』とか、そういう分析すらされていません。本当に効果があるのなら、「1ヶ月から半年くらい」の期間に均等に分布しているはずがないのですから、きちんと明言できるはずです。 「大体のお薬は、症状を抑えるものであって、病気を回復させるものではありませんので、おおよそのお薬の効き目がどのくらいの期間で効いてくるのか分かりやすいのです。」 これも、言語明瞭・意味不明瞭です。 抜粋から洩れましたが、「悪性リンパ腫は沢山治してきた」と言いつつ、FIVとの合併例は1例も経験がないとも言われます。FIVを背景に種々の悪性腫瘍が発生するのですから、これもまたおかしいと感じました。 とどのつまり、ボランティアで配布するにしても、コマーシャルベースに乗せるにしても、ちゃんとデータを出して、効果を謳うべきだということに尽きると思います。また、ユーザーの側でも例えば、新しいパソコンを購入する時、スペックに関する数値情報を参考にしますが、それと同じことだと思います。
by abi_kichi
| 2004-10-29 00:50
| 贋治療批判
|
ファン申請 |
||